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特集 骨端症の現状と実際
骨端症の診断における超音波診断
-―本当に超音波診断は有用なのか? その現在と未来―
Ultrasonographic diagnosis of apophysitis/epiphysitis
藤原 憲太
1
Kenta FUJIWARA
1
1土居整形外科
キーワード:
Ultrasonography
,
Apophysitis
,
Epiphysitis
Keyword:
Ultrasonography
,
Apophysitis
,
Epiphysitis
pp.1229-1240
発行日 2022年9月1日
Published Date 2022/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000002277
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要旨:成長期の長管骨の骨端核や短骨にも発症する骨端症の画像診断は何が有用なのであろうか。主として単純X線像により診断される骨端症において,MRI・CT・超音波検査の果たす役割は,それらのもたらす情報量に左右される。超音波検査の成長期の患者における利点は,被曝がなく,鎮静などの処置が必要ではなく,繰り返し検査が可能であることである。また軟骨描出能に優れ,軟部組織の形態,血流などの情報収集もできる。欠点は,超音波像の描出範囲がプローブの幅に限定されることによる撮像範囲の狭さである。また超音波検査は文字どおりプローブが送信した超音波を対象物が反射し,それをプローブで受信して画像化するものなので超音波の届かない深層の画像化はできないし,超音波は骨表面で全反射するため骨内病変の把握は困難である。さらに成長期の超音波像の正常像の蓄積はまだなされていない。超音波検査はすべての骨端症へ主たる検査として適用できるわけではないが,Osgood病などを中心にその有用性が検証されつつある。今後超音波機器の発展と普及に伴い,骨端症診断において超音波検査はますます重要となると考えられる。
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