Japanese
English
特集 上位頚椎疾患・外傷の病態と治療
頭蓋頚椎移行部不安定症の疫学・分類・治療
Epidemiology, classification and surgical strategy for the cranio-cervical instability
山崎 正志
1
,
國府田 正雄
1
,
高橋 宏
1
,
三浦 紘世
1
,
古矢 丈雄
2
,
牧 聡
2
Masashi YAMAZAKI
1
,
Takeo FURUYA
2
1筑波大学医学医療系,整形外科
2千葉大学大学院医学研究院,整形外科学
キーワード:
Cranio-cervical instability
,
Atlantoaxial subluxation
,
Occipitoatlantal hypermobility
Keyword:
Cranio-cervical instability
,
Atlantoaxial subluxation
,
Occipitoatlantal hypermobility
pp.1149-1158
発行日 2022年8月1日
Published Date 2022/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000002253
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要旨:環椎-軸椎間の前後方向への転位は強靱な横靱帯によって制御されており,その構造が破綻すると不安定性が生じる。ダウン症候群では横靱帯の弛緩により12~24%に環軸椎不安定性が存在するが,ほとんどは無症候性である。歯突起骨を合併すると高度な不安定性を生じやすくなり脊髄症発症のリスクが増す。関節リウマチでは炎症が正中環軸関節に波及して横靱帯が機能不全に陥ると環軸椎亜脱臼を生じる。外側環軸関節の破壊によって関節面が沈下すると軸椎垂直性脱臼に進行する。歯突起骨,環椎頭蓋癒合,頭蓋底陥入,Klippel-Feil症候群などの頭蓋頚椎移行部奇形では不安定性を生じやすい。歯突起骨折,横靱帯断裂などの外傷によっても不安定性が生じる。Grisel症候群では後咽頭の感染が上位頚椎に波及して不安定性が生じる。手術では通常,環軸椎後方固定術または後頭骨頚椎後方固定術が選択される。
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