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特集 整形外科医による整形外科医のための漢方入門
現代医学における漢方の活用
-―実践編―
How to use Kampo in modern medicine;a practical guide
冨澤 英明
1
Hideaki TOMIZAWA
1
1東京蒲田病院,整形外科
キーワード:
Kampo
,
Orthopaedics
,
Mao and Bushi
Keyword:
Kampo
,
Orthopaedics
,
Mao and Bushi
pp.747-754
発行日 2022年5月1日
Published Date 2022/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000002156
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要旨:整形外科医は血流の悪い患者の治療に難渋することが多い。漢方には血流改善薬として,炎症や内出血,浮腫などの鬱滞した血流を環流させる作用や,逆に血が届きにくい部分に血行を回復させる作用をもつ処方がある。また鎮痛薬としても,急性期の炎症性の痛みだけでなく,慢性期の冷えて拘縮する痛みに対応可能である。これら西洋薬にはない特徴をうまく取り入れられれば,運動器の疼痛治療に有益となる。そのためには,より正確な既往歴や生活・食習慣の聴取および痛みの所見の把握が必要となる。すなわち,① 患者の血流状態はどうなのか(4タイプ[血虚:阻血,瘀血:血球の遊走能の低下,気の異常:交感神経亢進,腎虚:老化]のどれかを見極め,それぞれの代表処方から1つ選ぶ),② どのような痛みなのか(鎮痛薬を2種類から選ぶ。麻黄剤:熱感のある表在的な痛みに,附子剤:冷えのある深部の痛みに使われる)を指標に方剤を選択する。
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