Japanese
English
特集 整形外科医による整形外科医のための漢方入門
よくみる整形外科疾患に対する漢方薬の補助的役割
Supportive role of Kampo medicine in common diseases seen in orthopaedics clinics
宮西 圭太
1
Keita MIYANISHI
1
1みやにし整形外科リウマチ科
キーワード:
Kampo
,
Orthopaedics
,
Oriental medicine
Keyword:
Kampo
,
Orthopaedics
,
Oriental medicine
pp.755-762
発行日 2022年5月1日
Published Date 2022/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000002157
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要旨:整形外科外来で,既存の薬物治療やリハビリテーションなどの治療手段を尽くしても症状が残存する場合に漢方薬が有効な症例がある。打撲や小児のスポーツ障害では治打撲一方が第一選択となる。変形性腰椎症,肩関節周囲炎,変形性関節症などの日常診療で高頻度に遭遇する疾患では,疎経活血湯を中心とした漢方治療を組み立てる。痛風などの熱感・腫脹を有する病変には越婢加朮湯を適用する。女性の非リウマチ性手指痛では更年期年代以降か,生理がある年代かで処方する漢方薬を鑑別する。頚椎症性神経根症などの神経性疼痛には,「温めて痛みを和らげる」という漢方独自の作用メカニズムを利用して麻黄附子細辛湯を基本処方に考える。一剤の漢方薬で効果が乏しい場合は,複数の漢方薬の併用投与を考慮する。従来の整形外科的治療を基本としながら補助的に漢方薬を使用することで治療の幅が広がり,より多くの患者の症状改善に貢献できる可能性がある。
Copyright © 2022, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.