Japanese
English
短報
五苓散で口渇感,慢性的抑うつが改善した高齢患者の1例
A Case of an Elderly Patient in Chronic Depression and Sense of Dry Mouth Improving with Goreisan
佐藤 晋爾
1
Sato Shinji
1
1茨城県立中央病院精神科
1Department of Psychiatry, Ibaraki Prefectural Hospital, Kasama, Japan
キーワード:
Kampo
,
Goreisan
,
Depression
,
Dry mouth
,
Elderly patient
Keyword:
Kampo
,
Goreisan
,
Depression
,
Dry mouth
,
Elderly patient
pp.559-562
発行日 2018年5月15日
Published Date 2018/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405205602
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
抄録 五苓散は浮腫,下痢,嘔吐などに使われ,安全性が高く高齢者にも用いられる漢方薬の一つである。今回,慢性的な口渇と抑うつ状態が五苓散により改善した1例を経験した。症例は62歳の女性。Amoxapineで小康状態となったものの,約9年間,口渇を訴え続けていた。抗コリン作用の少ない抗うつ薬に変更したが変化はなく,内科的問題も指摘されなかった。このため五苓散を投与したところ,投与1か月後に口渇は改善した。五苓散は水分バランスの調整作用から口渇に効果があるとされているが,抗うつ作用,抗不安作用を持つと考えられる茯苓を含んでおり,器質的な口渇のみならず精神的な口渇感にも効果を有する可能性が考えられた。
Copyright © 2018, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.