Japanese
English
特集 末梢神経―Current Concept in 2022
Ⅹ.最近の話題
神経障害性疼痛のメカニズムと治療における最近のトピックス
Recent topics in the mechanism and treatment of neuropathic pain
谷口 彩乃
1
,
天谷 文昌
1
Ayano TANIGUCHI
1
1京都府立医科大学,疼痛・緩和医療学教室
キーワード:
Neuropathic pain
,
Plasticity
,
Multidisciplinary care
Keyword:
Neuropathic pain
,
Plasticity
,
Multidisciplinary care
pp.715-723
発行日 2022年4月30日
Published Date 2022/4/30
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000002144
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要旨:神経障害性疼痛は,体性感覚神経系の病変や疾患によって引き起こされる痛みであり,神経系において可塑性変化が生じて知覚神経の伝達が変化することが原因である。この可塑性変化には,末梢神経における異所性発火,神経原生炎症,エファプスの形成,また中枢神経における中枢性感作,下降性疼痛抑制系などが関与しており,さらなる研究が続けられている。神経障害性疼痛は,痛み以外にも身体機能,睡眠,気分,社会的な問題に与える影響が大きく,生活の質(QOL)や日常生活動作(ADL)を低下させる。治療においては,痛みの軽減を図るとともに,痛みがもたらすこのような二次的な問題も治療対象とし,QOLやADLの改善を目標とすることが重要である。薬物療法や適応に応じた侵襲的治療,また身体機能や心理社会的な要因に応じた理学療法や心理療法を含めた集学的治療は,神経障害性疼痛の治療において重要な要素となる。
Copyright © 2022, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.