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特集 リハビリテーション医学・医療update
脊髄損傷治療へ向けた再生リハビリテーションとその具体像
Feature of regenerative rehabilitation for spinal cord injury
田代 祥一
1
Syoichi TASHIRO
1
1杏林大学医学部,リハビリテーション医学教室
キーワード:
Chronic
,
Plasticity
,
Transplantation
Keyword:
Chronic
,
Plasticity
,
Transplantation
pp.1211-1216
発行日 2025年9月1日
Published Date 2025/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000003541
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要旨:慢性期脊髄損傷では,生理学・組織学的な難治性を背景とし,細胞移植の効果が低下し,細胞種によっては臨床応用に課題を抱えている。リハビリテーション治療やその原理を細胞治療に代表される再生医療を補完するものとして適応し,組織再生・リモデリング・修復を通じた機能回復を最適化する概念を「再生リハビリテーション」と呼ぶ。動物モデルでも細胞移植とリハビリテーション訓練の併用療法には相加的,相乗的効果が認められている。しかし,リハビリテーション訓練単独でも一定の治療効果があることから,このリハビリテーション単独治療を有意に凌駕する効果の担保が重要である。そのためには,単なる併用療法にとどまらず,細胞治療および機能訓練・運動療法によって改善が期待できない部分を標的とした併用療法が必須である。再生に阻害的な環境への治療,神経栄養因子,ニューロモデュレーション等を期した薬物療法などのほか,非侵襲的脳・脊髄刺激などに代表される物理療法などが期待を集めている。

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