Japanese
English
特集 末梢神経―Current Concept in 2022
Ⅸ.下肢の末梢神経障害
足根管症候群の診断と治療
Diagnosis and treatment of tarsal tunnel syndrome
吉田 綾
1
,
奥津 一郎
2
,
上村 哲司
3
Aya YOSHIDA
1
,
Ichiro OKUTSU
2
,
Tetsuji UEMURA
3
1取手北相馬保健医療センター医師会病院,整形外科
2おくつ整形外科クリニック
3佐賀大学医学部,形成外科
キーワード:
Tarsal tunnel syndrome
,
Endoscopic surgery
,
Entrapment neuropathy
Keyword:
Tarsal tunnel syndrome
,
Endoscopic surgery
,
Entrapment neuropathy
pp.699-705
発行日 2022年4月30日
Published Date 2022/4/30
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000002142
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要旨:足根管症候群は比較的まれな下肢の絞扼性末梢神経障害である。足関節内側で様々な原因により脛骨神経が絞扼され,足底のしびれ感,疼痛,足部内在筋の萎縮による日常生活動作制限をきたす。保存治療に抵抗性の症例に対しては,手術治療の適応となり,脛骨神経の除圧が行われる。従来は足関節内側に7~8cmの広範な展開を必要としたが,われわれは局所麻酔下に1cmのポータルから透明な閉鎖性の外套管と関節鏡からなるUniversal Subcutaneous Endoscope system(USEシステム)を用いた低侵襲鏡視下神経剝離術を行っている。手術は足根管の中枢に作成したポータルからUSEシステムを挿入し,患部を拡大観察しながら,足の屈筋支帯および母趾外転筋筋膜の一部をプッシュナイフで切離する。脛骨神経の除圧状況は神経内血流改善により鏡視下に確認できる。また糖尿病性足部病変における末梢循環障害への足根管症候群の関与の観点から,足根管の除圧による神経血流の評価を定量的に行っている。
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