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特集 末梢神経―Current Concept in 2022
Ⅱ.末梢神経疾患の診断
絞扼性ニューロパチーに似た脳神経内科疾患
Neurological disease that mimic entrapment neuropathy
安藤 哲朗
1
,
福武 敏夫
1
Tetsuo ANDO
1
1亀田メディカルセンター,脳神経内科
キーワード:
Polyneuropathy
,
Multiple mononeuropathy
,
Entrapment neuropathy
Keyword:
Polyneuropathy
,
Multiple mononeuropathy
,
Entrapment neuropathy
pp.521-529
発行日 2022年4月30日
Published Date 2022/4/30
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000002119
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要旨:絞扼性ニューロパチーは単一の末梢神経障害を起こすが,自覚的なしびれ・痛みはその障害神経の領域を超えることがあり,種々の脳神経内科疾患との鑑別が必要である。脳血管障害で遠位部優位の単麻痺あるいは感覚障害を起こして鑑別が問題となることがある。筋萎縮性側索硬化症は,一側の上肢あるいは下肢から始まることがあり,絞扼性ニューロパチーを疑われることがある。平山病は若年者に一側遠位部の筋萎縮を起こす。多発単ニューロパチーでは血管炎などの全身性の病態を考える必要がある。糖尿病性多発ニューロパチーや遺伝性運動感覚性ニューロパチーは末梢神経が脆弱になるために絞扼性ニューロパチーを合併しやすいことに注意が必要である。詳細な臨床症候と電気生理学的検査から,絞扼性ニューロパチーと脳神経内科的疾患の鑑別診断をする必要がある。
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