Japanese
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特集 末梢神経―Current Concept in 2022
Ⅱ.末梢神経疾患の診断
電気生理学的検査
Electrodiagnosis for the peripheral nerve surgery
国分 則人
1
Norito KOKUBUN
1
1獨協医科大学,脳神経内科
キーワード:
Axonal degeneration
,
Electrodiagnosis
,
Neurapraxia
Keyword:
Axonal degeneration
,
Electrodiagnosis
,
Neurapraxia
pp.499-507
発行日 2022年4月30日
Published Date 2022/4/30
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000002117
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要旨:末梢神経伝導検査と針筋電図検査による電気診断では,常に神経障害がneurapraxiaにとどまるのか,それとも軸索変性をきたしているかを鑑別するよう努める必要がある。針筋電図では,軸索変性が生じてから8~14日で陽性鋭波や線維自発電位などの自発電位が記録できるようになる。針筋電図ではこの自発電位の分布から病巣を,その量から軸索障害の強さを推察することができる。障害がneurapraxiaにとどまる場合は自発電位は発生しない。末梢神経伝導検査では,軸索損傷が起きてから約6日間で30cm遠位部の複合筋活動電位や感覚神経活動電位振幅の低下が波及することが知られている。多くの病態で,軸索変性と伝導ブロック(neurapraxia)は混在するが,neurapraxiaが主である場合は原因除去により速やかに症状が改善する可能性がある。一方,軸索変性が主である場合は回復には時間がかかることが予測できる。
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