経験と考察
軟部肉腫単純切除における治療背景
紫藤 洋二
1
,
井上 善也
,
松山 幸弘
1浜松医科大学 整形外科
キーワード:
病院診療科
,
鑑別診断
,
軟部組織腫瘍
,
肉腫
,
総合病院
,
大学病院
,
後向き研究
,
個人病院
Keyword:
Diagnosis, Differential
,
Hospitals, General
,
Hospitals, Proprietary
,
Hospitals, University
,
Medicine
,
Retrospective Studies
,
Soft Tissue Neoplasms
,
Sarcoma
pp.116-117
発行日 2017年2月1日
Published Date 2017/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2017143373
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単純切除後軟部肉腫26例(男性18名、女性8名、16~89歳)を対象とした。組織型は未分化多形肉腫6例、隆起性皮膚線維肉腫5例、滑膜肉腫4例、粘液型脂肪肉腫3例、粘液線維肉腫2例、その他6例であった。初回治療施設は大学病院5例、市中総合病院14例、個人医院7例であった。治療科は整形外科12例、外科8例、形成外科3例、その他3例であった。深度は浅層22例、深層4例であった。初診医の画像検査は、MRI 13例(50%)、超音波3例(12%)、検査なし9例(35%)、不明1例(4%)であった。初診医の術前診断は、軟部腫瘍11例、脂肪腫3例、神経鞘腫3例、類上皮嚢腫2例、血管腫2例、その他5例であった。初回手術後に軟部肉腫と診断されたのは23例(88%)で、3例(12%)は単純切除後の病理診断(感染1、神経鞘腫1、血液腫瘍1)が誤っていた。最終病期は無病生存(NED)18例(69%)、有病生存(AWD)2例(8%>、腫瘍死(DOD)6例(23%)であった。病理誤診断の2/3(67%)はAWD/DOD、深層腫瘍の2/4(50%)はAWD/DODであった。
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