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連載 卒後研修講座
思春期特発性側弯症の診断と治療
Diagnosis and treatment for adolescent idiopathic scoliosis
福田 健太郎
1
K. Fukuda
1
1済生会横浜市東部病院整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Saiseikai Yokohamashi Tobu Hospital, Yokohama
キーワード:
adolescent idiopathic scoliosis
,
screening
,
brace
,
corrective surgery
Keyword:
adolescent idiopathic scoliosis
,
screening
,
brace
,
corrective surgery
pp.255-263
発行日 2023年3月1日
Published Date 2023/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei74_255
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は じ め に
脊柱は頭蓋から骨盤までを理想的には,正面からみると直線に,側面からみると頚椎前弯,胸椎後弯,腰椎前弯によるS字状にアライメントを形成する.この形状が崩れることを脊柱変形と呼び,側方への弯曲変形を脊柱側弯症と呼ぶ.中でも特発性側弯症は一般臨床でもっともよくみられる脊柱変形疾患であり,整形外科外来を行っていると時にみかけることであろう.しかし,多くは外観上の異常以外に症状がないことや,治療の専門性の高さゆえに,時に見逃され,敬遠され,軽視され,適切な時期での対応を逸してしまっている例が散見される.
本稿では,思春期特発性側弯症(adolescent idiopathic scoliosis:AIS)の診断と治療について,若手医師向けに最低限持ち合わせておくべき内容にとどめ解説した.間違った知識で患者の早期発見・治療介入を損なうことのないよう学んでほしい.脊椎脊髄外科を専門としない医師,開業されている先生方にも知識の整理として役立ていただければ幸甚である.なお,AISを含む小児側弯症ついては日本側彎症学会編集の『小児脊柱変形治療の最前線』(南江堂)に詳述されており,本稿でも大いに参考にした1).
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