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特集 整形外科領域における人工知能(AI)
X線画像データのみから腰椎および大腿骨近位部の骨密度を演算するAI骨粗鬆症診断補助システム
AI-assisted diagnostic system for osteoporosis using the X-ray image
茂呂 徹
1
,
齋藤 琢
2
,
田中 健之
3
,
本多 信太郎
4
,
吉村 典子
5
,
田中 栄
2
Toru MORO
1
,
Taku SAITO
2
,
Takeyuki TANAKA
3
,
Shintaro HONDA
4
,
Noriko YOSHIMURA
5
1東京大学大学院医学系研究科,関節機能再建学講座
2東京大学大学院医学系研究科外科学専攻,感覚運動機能医学講座整形外科学
3同上,運動器AIシステム開発学講座
4京セラ株式会社研究開発本部デバイス研究開発統括部,メディカル開発センター
5東京大学22世紀医療センター,ロコモ予防学講座
キーワード:
Osteoporosis
,
Artificial intelligence(AI)
,
Bone mineral density(BMD)
Keyword:
Osteoporosis
,
Artificial intelligence(AI)
,
Bone mineral density(BMD)
pp.1135-1144
発行日 2023年9月1日
Published Date 2023/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000002696
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要旨:骨粗鬆症患者に早期に介入して脆弱性骨折を防ぐことは喫緊の課題である。筆者らは,X線画像データから腰椎および大腿骨近位部における骨に関する数値を同時に演算する独自のシステムとして,AI骨粗鬆症診断補助システムを考案した。このシステムでは,カテゴリー分類ではなく回帰解析を行うことから,スクリーニングに加えて診断,治療法の選択に活用することができる。胸部あるいは腰椎正面X線像から演算した腰椎(L群)/大腿骨近位部近位部(H群)の骨密度推定値の実測値との相関係数(R)は,それぞれ,L群0.85/H群0.84,L群0.91/H群0.83であった。また,骨密度推定値を用いた骨粗鬆症群(YAM≦70%)の判別精度(AUC)は,それぞれ,L群0.95/H群0.95,L群0.97/H群0.90であった。1枚のX線画像から,骨粗鬆症診断のゴールドスタンダードである,腰椎および大腿骨近位部の骨に関する数値を同時に,高精度で演算する本システムの実用化により,脆弱性骨折の予防が期待できる。
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