Japanese
English
特集 薬物療法が奏効する整形外科疾患
骨粗鬆症
Osteoporosis
大野 久美子
1
,
田中 栄
2
Kumiko ONO
1
,
Sakae TANAKA
2
1東京大学医科学研究所附属病院,関節外科
2東京大学大学院医学系研究科外科学専攻感覚運動機能医学講座,整形外科学
キーワード:
Osteoporosis
,
Bone resorption and formation
,
Anti-fracture effects
Keyword:
Osteoporosis
,
Bone resorption and formation
,
Anti-fracture effects
pp.343-350
発行日 2024年4月1日
Published Date 2024/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000002926
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要旨:骨粗鬆症の治療ゴールは骨折を予防することである。骨折は日常生活動作だけでなく,生命予後に関連する疾患であり,骨折予防は健康寿命延伸につながり,医療,社会にとって重要である。骨粗鬆症は予防と診断された場合の治療のどちらも必要である。予防には,若年期に可能な限り高い最大骨量を得るために運動し,さらに生涯を通じて適切な運動習慣の確立,ビタミンDの充足,体重維持に努める。近年は骨折抑制作用のある薬剤が多く開発され,骨粗鬆症と診断された場合,骨折のリスクを評価した上で,適切な時期に適切な薬剤を選択することが重要である。骨粗鬆症の初期は骨吸収抑制薬を使用し,加齢に伴い骨折リスクが増加した場合は,骨形成促進薬に切り替える。骨折の危険性が高いと診断された場合は,骨形成促進薬を早期に導入し,その後,骨吸収抑制薬による逐次療法を行うなど,健康寿命に影響する骨折を予防するために,生涯を通じて骨粗鬆症治療を継続する。
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