Japanese
English
特集 80歳以上の脊椎脊髄損傷
高齢者歯突起骨折の現状と治療
Current Status and Treatment of Odontoid Fractures in the Elderly
飯塚 陽一
1
,
本田 哲
1
,
筑田 博隆
1
Yoichi IIZUKA
1
,
Akira HONDA
1
,
Hirotaka CHIKUDA
1
1群馬大学大学院医学系研究科整形外科学
1Department of Orthopaedic Surgery, Gunma University Graduate School of Medicine
キーワード:
歯突起骨折
,
odontoid fractures
,
高齢者
,
elderly
,
偽関節
,
non-union
Keyword:
歯突起骨折
,
odontoid fractures
,
高齢者
,
elderly
,
偽関節
,
non-union
pp.621-626
発行日 2020年6月25日
Published Date 2020/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201438
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
頸椎損傷の約25%は軸椎に生じるが4),軸椎歯突起骨折は,65歳以上の高齢者にみられる頸椎骨折として最も多い骨折であり9,13),80歳以上の患者では頸椎骨折の大部分を占める13).スウェーデンの全国レジストリ(Swedish National Patient Registry)から軸椎骨折患者のデータを抽出し解析した報告では,軸椎骨折患者の年齢のピークは80歳代にみられ,歯突起骨折を含む軸椎骨折は増加傾向にあるとされている11).また,米国における歯突起骨折のincidenceは,2000年代初頭と比べて2倍以上に増加しているとの報告もあり9),超高齢社会に突入して久しいわが国においても歯突起骨折例が増加していることは想像に難くない.本稿では,高齢者の歯突起骨折の現状と治療について概説する.
Copyright © 2020, MIWA-SHOTEN Ltd., All rights reserved.