病気のはなし
多発性骨髄腫
川瀬 咲
1
,
菊池 拓
2
1慶應義塾大学医学部血液内科
2日本赤十字社医療センター血液内科
pp.60-67
発行日 2023年1月1日
Published Date 2023/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543208877
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
Point
●多発性骨髄腫は形質細胞が腫瘍化した造血器腫瘍である.
●骨破壊による骨折や高カルシウム血症,腎機能障害,造血障害,免疫低下による易感染性などの特徴的な臨床症状を呈する.
●治癒は困難であるが,プロテアソーム阻害薬や免疫調整薬,抗体製剤をはじめとした新規薬剤を用いた化学療法により治療成績は改善している.
●65歳以下の若年者では,新規薬剤を含む寛解導入療法と,それに引き続く自家末梢血幹細胞移植併用大量化学療法(HDC/ASCT)が推奨される.高齢者では新規薬剤を組み合わせた治療が推奨される.
●治療効果判定の微小残存病変(MRD)の検出法も進歩し,治療効果判定基準も変化しており,多発性骨髄腫患者における特徴的な検査所見については臨床検査技師も十分把握しておく必要がある.
Copyright © 2023, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.