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特集 整形外科における静脈血栓塞栓症対策update
静脈血栓症予防の必要性と限界
Prevention for venous thromboembolism;necessity but limitations
井上 紳司
1
,
赤木 將男
1
Shinji INOUE
1
1近畿大学病院,整形外科
キーワード:
Symptomatic VTE
,
Risk evaluation
,
Prevention
Keyword:
Symptomatic VTE
,
Risk evaluation
,
Prevention
pp.835-838
発行日 2021年6月1日
Published Date 2021/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000001775
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要旨:整形外科医にとって麻酔から手術,そしてリハビリテーションに至る一連の治療の中で,予期していてもコントロールできない事象は,感染と血栓塞栓症である。どれだけ費用,時間,労力をかけてもある一定の確率で発生してしまうため,医療費,エビデンス,患者へのメリット・デメリット,予防効果のエビデンスなどをバランス良く配慮する必要性がある。本稿では,現在の血栓塞栓症ガイドラインにおいて重要視されている症候性静脈血栓塞栓症(VTE),肺血栓塞栓症(PTE)の発生病態から,リスク評価,予防法について現在報告されているエビデンスに基づいて必要な認識をまとめた。最も重要なことは,検索よりもいかに,患者,親族,医療スタッフが一丸となって血栓塞栓症予防意識を共有するか,そして包括的な予防法を確立するのではなく,個々の患者に合わせて適切な予防法を選択していくかである。
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