Japanese
English
特集 DNA修復による生体恒常性の維持
Ⅰ.DNA修復の分子メカニズム
DNA鎖間架橋の修復
Regulation of DNA interstrand cross-link repair
石合 正道
1
Ishiai Masamichi
1
1国立がん研究センター研究所RI実験施設
キーワード:
DNA interstrand cross link
,
DNA repair
,
Fanconi anemia
,
FANCD2
,
NEIL3
Keyword:
DNA interstrand cross link
,
DNA repair
,
Fanconi anemia
,
FANCD2
,
NEIL3
pp.115-119
発行日 2022年4月15日
Published Date 2022/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425201480
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DNA鎖間架橋(DNA interstrand cross-links;ICL)は二本鎖DNA間が共有結合でつながったDNA損傷であり,遺伝子の転写,DNA複製などを阻害するため,細胞にとって最も重篤である。事実,ICL修復に欠損があると,細菌や酵母では1個のICLで,哺乳類細胞では40個のICLで致死になると報告されている。その性質を利用して,臨床ではDNA架橋剤が抗がん剤として広く利用されている1-5)。ICL修復は単一経路でなく,他のDNA修復系に比べて分子レベルでの理解が遅れていたが,脊椎動物細胞のICL修復のメカニズム研究は,この10年ほどで著しく進展した。これは,2008年にアフリカツメガエル(Xenopus)卵抽出液無細胞DNA複製系を用いた生化学的解析が確立されたことが大きく寄与している5,6)。ここ数年のトピックを中心に紹介したい。
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