Japanese
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特集 早期変形性膝関節症の診断と治療
早期変形性膝関節症の運動療法
-—歩行再トレーニング(gait retraining)を含めて—
Exercise therapy for early knee osteoarthritis;including gait retraining
太田 進
1
,
藤田 玲美
1
,
大古 拓史
1
,
村上 慈葉
2
Susumu OTA
1
,
Yasuha MURAKAMI
2
1星城大学,リハビリテーション学部
2星城大学大学院,健康支援学研究科
キーワード:
Early knee osteoarthritis
,
Exercise therapy
,
Gait retraining
Keyword:
Early knee osteoarthritis
,
Exercise therapy
,
Gait retraining
pp.293-299
発行日 2021年3月1日
Published Date 2021/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000001651
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要旨:早期変形性膝関節症(EKOA)は,膝関節に構造的な変化が少ない状態と考えられ,運動療法の効果が期待できる。EKOA症例は,健常と比較しても筋力低下は少なく,固有感覚障害,歩行時の運動力学的変化が起きていないと報告されている。EKOA症例を対象とした運動療法介入研究において筋力,関節可動域,活動性の高い運動で改善効果が得られ,特に関節可動域の改善の効果量が高かった。われわれの研究からも,膝関節無症状高齢者のうち膝関節屈曲制限がある者において膝蓋骨下方可動性と屈曲可動域に正の相関があった。膝蓋骨可動性改善の介入により屈曲可動域が改善し,軟部組織伸張性および可動域が改善しやすいと考えられた。健常成人を対象に腹部引き込み運動を応用した歩行を行い,膝関節内転(内反)モーメント(KAM)が減少した。地域高齢者への同歩行介入により膝機能,QOLの改善を認め,本歩行も含めKAM減少を目的とした歩行再トレーニングはEKOAの運動療法の一つになると考えられた。
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