Japanese
English
特集 早期変形性膝関節症の診断と治療
早期変形性膝関節症に対する薬物療法
Pharmacological therapy for early knee osteoarthritis
阿漕 孝治
1
,
池内 昌彦
1
Koji ASO
1
1高知大学医学部,整形外科
キーワード:
Early knee osteoarthritis
,
Pharmacological therapy
,
Pain
Keyword:
Early knee osteoarthritis
,
Pharmacological therapy
,
Pain
pp.307-311
発行日 2021年3月1日
Published Date 2021/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000001653
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要旨:早期変形性膝関節症(膝OA)に対する薬物治療は,疾患修飾治療薬がない現在,鎮痛薬によって疼痛を抑制することで日常生活動作を拡大し,生活の質を向上させることが目的となる。疼痛は単純X線像上でOAがほとんどない段階から出現してくることがあるため,早期膝OAを診断する上では,単純X線像上で明らかなOA変化がなくても,疼痛がOAに起因するものなのか念頭に置きながら診察を行うことが重要である。早期膝OAの疼痛は,滑膜炎がより強く影響する。滑膜炎によって放出された炎症性サイトカインが侵害受容器のイオンチャネルや受容体の興奮性を亢進させ,関節への侵害刺激に対する閾値が低下する。そのため経口および外用NSAIDs,選択的COX-2阻害薬やヒアルロン酸関節内注射によって炎症を抑制することが疼痛改善に効果的と考えられる。
Copyright © 2021, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.