（9）地域医療と外国人労働者

Community medicine for foreign migrant workers

2020年4月現在，COVID-19の世界的大流行により世界の国境は閉鎖，東京オリンピックは延期を余儀なくされ，昨年まで急激な増加の一途をたどっていた訪日外国人旅行者の姿は街から消えた。だが，コンビニエンスストア，建築現場，工場などで外国人労働者は変わりなく働いている。わが国では深刻な労働力不足を背景に国策として外国人労働者の急速な受け入れが進んできた。その業種は主に肉体労働であり^1），身体的負荷が大きい。異文化適応と仕事に関わるストレスなどによるメンタルヘルスの不調も課題であり，医療の現場では精神症状よりもまず身体症状を訴えることも多い^2）。