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Seishin Igaku Volume 53, Issue 3 （March 2011）

精神医学 53巻3号（2011年3月発行）

Japanese English

研究と報告

うつ病スクリーニングによる壮年者自殺予防のための地域介入―自記式質問紙の回収方法が及ぼすスクリーニングの参加と成績への影響 Impact of the Invitation Process for Depression Screening Using a Self-reported Questionnaire on Its Performance and Accessibility: Results from a pilot population-based program of depression screening for suicide prevention among the middle-aged in Japan 坂下智恵 ¹ , 大山博史 ¹ Tomoe SAKASHITA ¹ , Hirofumi OYAMA ¹ ¹青森県立保健大学健康科学部 ¹Faculty of Health Sciences, Aomori University of Health and Welfare, Aomori, Japan キーワード： Depression screening , Middle-aged , Community , Test performance , Suicide prevention Keyword: Depression screening , Middle-aged , Community , Test performance , Suicide prevention pp.225-233

発行日 2011年3月15日 Published Date 2011/3/15

DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405101811

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抄録

　地域で施行される自記式質問紙法を用いたうつ病スクリーニングでは，質問紙回収方法がその参加や成績に影響する可能性がある。自殺対策の一環として近接する郡部9地区の40～64歳一般住民12,758名に参加を呼びかけ，地区別に異なる回収方法によりZung法のうつ病スクリーニングを実施し，陽性者をMini-International Neuropsychiatric Interviewにより精査した。横断的分析の結果，地区別参加率は留置法で50％以上，郵送法で20～30％台，集合法で5％未満を得た。男女とも地区別参加率が高くなるほど，把握されたうつ病エピソード有症割合や陽性反応的中度も上昇した。また，留置法下の同有症割合（男性2.4％，女性3.5％）と同的中度（男性15.8％，女性22.4％）が他法に比べて高く，陽性率（16～18％台）には差がなかった。今回，留置法により地域の有症率と同程度で有症者が把握され，郵送法や集合法ではそれを下回ったが，これは後二者においてうつ病エピソードによる不参加が生じたためと推察される。