Japanese
English
特集 統合失調症の治療ゴールをめぐって
地域生活支援の視点から
Goals of Comprehensive Community Mental Health Services for People with Schizophrenia
野口 正行
1
Masayuki Noguchi
1
1メンタルセンター岡山(岡山県精神保健福祉センター)
1Okayama Prefectural Mental Health and Welfare Center, Okayama, Japan
キーワード:
Schizophrenia
,
Community
,
Outreach
,
Network
,
Engagement
Keyword:
Schizophrenia
,
Community
,
Outreach
,
Network
,
Engagement
pp.393-401
発行日 2019年4月15日
Published Date 2019/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405205811
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抄録 地域生活支援は,統合失調症の当事者の生活の場を現場とするため,当事者の生活への理解が深まり,柔軟で包括的な支援を行いやすい。その反面,当事者の行動のコントロールを行いにくく,治療からの離脱が起こりやすい。このため,当事者との関係づくりなしでは有効な支援を行うことが困難となる。関係づくりには当事者の希望の尊重と幅広い生活面での支援が有用である。これらの実践的な要請はリカバリーの理念と重なり合う。支援困難な統合失調症の当事者に対しても,このような関係づくりはいっそう重要である。地域の支援困難事例に対しては,多職種アウトリーチチームは有効な支援形態であり,今後のチーム数増加が期待される。しかし,複合的な課題を持った当事者に対しては,一つの機関だけでは十分な支援は困難であり,多機関ネットワークによる支援が欠かせない。このネットワークによって当事者のみならず,支援者も支えられる経験が得られる。
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