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特集 アスリートの腰部pain generator―謎の腰痛を攻略する最新の知見
診断の最前線
-―痛い分離と痛くない分離―
Painful spondylolysis and asymptomatic spondylolysis
青木 保親
1
Yasuchika AOKI
1
1東千葉メディカルセンター,整形外科
キーワード:
Spondylolysis
,
Pain
,
Symptom
Keyword:
Spondylolysis
,
Pain
,
Symptom
pp.1475-1479
発行日 2020年10月1日
Published Date 2020/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000001486
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要旨:腰椎分離症は上下関節突起間部の疲労骨折である。新鮮疲労骨折による痛みは動作時に生じる鋭い腰痛であり,適切な治療により腰痛は1カ月程度で改善することが多い。改善不良な場合には徐々に鈍い腰痛を呈することもある。その原因としては合併する椎間板変性や背筋群の緊張などが考えられる。保存治療により骨癒合が得られれば腰痛は改善する。骨癒合が得られず分離部が偽関節化した場合では,患者は無症状な場合も多く,腰痛を有する場合も原因が偽関節自体とは限らない。偽関節以外には分離に併発する椎間板や椎間関節の変性,神経根の障害などが痛みの原因となりうる。このような患者では痛みの性質は多様であり,痛みが腰部に限らず下肢に広がる場合もある。画像検査で腰椎分離を見つけたときには,その分離が “痛い分離” か,“痛くない分離” かを判断し,“痛い分離” であれば病態に応じた適切な治療を選択することが重要である。
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