Japanese
English
経験
大転子疼痛症候群の10例
10 cases of greater trochanteric pain syndrome
木下 斎
1
,
忽那 明彦
2
,
小野 研
3
,
金崎 克也
4
,
永田 見生
4
,
樋口 富士男
5
Hitoshi KINOSHITA
1
,
Akihiko KUTSUNA
2
,
Ken ONO
3
,
Katsuya KANESAKI
4
,
Fujio HIGUCHI
5
1三樹会三樹病院,整形外科
2国立九州医療センター,放射線科
3天神会新古賀病院,放射線科
4恒生堂永田整形外科病院,整形外科
5柳川リハビリテーション病院,整形外科
キーワード:
Greater trochanteric pain syndrome
,
Gluteus medius
,
Tendinitis
Keyword:
Greater trochanteric pain syndrome
,
Gluteus medius
,
Tendinitis
pp.1545-1549
発行日 2019年11月1日
Published Date 2019/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000001104
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要旨:本邦での報告の少ない大転子疼痛症候群の10症例を経験し文献的考察を加えた。高齢者に多く,変形性腰椎症の合併が多かった。骨盤MRI検査ではすべての症例に中小殿筋腱炎像がみられたが,股関節X線検査では石灰化陰影はみられなかった。誘因なく発症するものが多く,NSAIDs投与と殿部痛部位へのステロイド注射が有効であった。本邦における報告例が少ない理由として,本症候群に対する認知度が低いことに加え,症状が変形性腰椎症に類似しているための誤診,また保存療法が有効で診断が確定する前に治癒していることなどが考えられた。愁訴の主体が殿部痛で知覚障害が目立たないような症例では,たとえ股関節X線検査で明らかな異常がなくても,また腰椎MRIで腰部脊柱管狭窄症と診断されていても,本疾患の可能性を念頭に置いて骨盤MRIや大転子周囲組織のエコー検査を行うべきである。
Copyright © 2019, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.