Japanese
English
特集 リハビリテーション医学・医療の最前線
脊髄損傷に対する再生医療とリハビリテーション医療
A strategy of rehabilitation therapy in generative medicine of spinal cord injury
坂田 ゆき
1
,
村井 昂太
2
,
佐藤 知香
1
,
吉岡 和泉
1
,
櫻井 雄太
3
,
田島 文博
2
Yuki SAKATA
1
,
Kota MURAI
2
,
Yuta SAKURAI
3
1那智勝浦町立温泉病院,リハビリテーション科
2和歌山県立医科大学,リハビリテーション医学講座
3那智勝浦町立温泉病院,リハビリテーション部
キーワード:
Spinal cord injury
,
Regeneration
,
Rehabilitation
Keyword:
Spinal cord injury
,
Regeneration
,
Rehabilitation
pp.1049-1057
発行日 2019年8月1日
Published Date 2019/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000985
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要旨:脊髄損傷においても,再生医療の実用化に向けての取り組みが実際に着手されている。そのような現状で,再生医療導入を見据えたリハビリテーション医療が求められている。基本的には,これまでの残存機能の強化と二次的障害の予防の原則は変わらない。しかし,麻痺した機能の再生に備えた麻痺筋の筋力維持や関節可動域の維持など,これまで以上の内容が求められてきている。治療方法は様々だが,骨髄間葉系幹細胞治療が実用化され臨床的に神経症状の改善を認めている。嗅粘膜移植後患者ではAIS回復や下肢筋電図に随意収縮がみられた。iPS細胞由来神経幹細胞移植では動物実験が行われている。再生移植後の組織再生には過程があり,本来の神経回路とは異なる神経再生が生じると推察され,新しい神経回路を合理的な機能に構築するための段階的なリハビリテーションが必要となる。その一つとしてBDNFの分泌を上昇させ神経再生を促進する方法や,M2マクロファージが運動により増加し疼痛を軽減する特性を活かした方法など神経機能回復に向けての取り組みが検討されている。
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