特集 リハビリテーション医学・医療の最前線
扉
芳賀 信彦
pp.1048-1048
発行日 2019年8月1日
Published Date 2019/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000984
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リハビリテーション医学・医療が確立されてからの歴史は,整形外科学・外傷学に比較すれば浅いものだが,後者とともに前者が歩んできたことは間違いない。米国では第一次世界大戦中に陸軍軍医総督部の下に「身体再建とリハビリテーション部門」が設置され,欧米を中心に第二次世界大戦でさらにリハビリテーション医学・医療が発展した。当時の主な対象は戦傷者であり,脊髄損傷と四肢切断が大多数を占めていた。日本へは第二次世界大戦後にリハビリテーションという言葉が導入され,高度経済成長期に炭鉱落盤事故などの労働災害や交通事故による障害に対するリハビリテーション医療が発展した。その後,労働災害や交通事故の件数は大きく減少したが,一方で日本は超高齢社会を迎え,リハビリテーション医療の対象は高齢者が中心になってきている。近年は少しずつではあるが各大学にリハビリテーション医学講座が誕生しており,高度な医療への参画,医学研究の推進などが進んでいる。
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