Japanese
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【要 旨】
目 的:Forgotten Joint Score-12(FJS-12)は,人工関節術後のjoint awareness(JA)を評価するために開発された患者立脚型評価(PROMs)である.人工膝関節置換術の代替手術法である内側開大式高位脛骨骨切り術(medial opening wedge high tibial osteotomy:MOWHTO)は関節温存手術であるため,JAを含めた臨床評価が必要である.しかし,FJS-12はMOWHTOの術後成績を評価するツールとしての妥当性の検証がされていないため,本研究はMOWHTOにおけるFJS-12の妥当性の検証を検証することを目的とした.
対象および方法:両膝手術例,同側膝手術の既往例,屈曲拘縮>15°,内反>20°,未抜釘前例を除外した.最終的に71例71膝(平均経過観察期間:34.5ヵ月)を解析した.FJS-12とKnee Injury and Osteoarthritis Outcome Score(KOOS)の床効果と天井効果を検討した.FJS-12の内部一貫性を調べるためにCronbach αを算出し,妥当性を評価するために,FJS-12とKOOSの間のSpearman相関係数を算出した.
結 果:天井効果はKOOSの4つのうち3つのサブスケール(symptom 25.4%,pain 15.5%,ADL 25.4%)に認められたが,FJS-12(8.5%)には認められなかった.床効果はいずれのPROMsにも認められなかった.FJS-12のCronbach αは0.9457であった.また,FJS-12はKOOSのすべてのサブスケールと中~強いの正の相関を示した(ρ=0.64~0.72).
結 論:FJS-12はKOOSよりも天井効果が少なく,MOWHTO後の患者において高い内的一貫性と良好な妥当性を示したので,MOWHTO後の患者の評価に有用であることが示された.
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