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特集 整形外科医に役立つ高齢者リウマチ性疾患の知識
ピロリン酸カルシウム沈着症(偽痛風)とcrowned dens症候群
Calcium pyrophosphate dehydrate deposition(pseudogout)and crowned dens syndrome
林 真利
1
,
船村 啓
1
,
前田 真崇
1
,
大石 遼太郎
2
,
長谷川 弘晃
2
,
関 一二三
2
Masatoshi HAYASHI
1
,
Ryotaro OISHI
2
1長野赤十字病院,リウマチ科
2同上,整形外科
キーワード:
Calcium pyrophosphate dehydrate
,
Chondrocalcinosis
,
Pseudogout
Keyword:
Calcium pyrophosphate dehydrate
,
Chondrocalcinosis
,
Pseudogout
pp.913-917
発行日 2018年7月1日
Published Date 2018/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000538
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要旨:関節軟骨内のピロリン酸カルシウム(CPPD)が関節液中に放出されて発症する偽痛風は,ほとんどが高齢者に発症する疾患である。症状(発作)は一般に急激であることが多いが,多彩な臨床病態を示し,変形性関節症や化膿性関節炎との鑑別が難しい症例もあるため注意を要する。診断の鍵は,何よりまず黄白色関節液中のCPPDの同定であり,次にX線での軟骨内石灰化像の確認である。沈着した軟骨内CPPDの除去方法はないため,治療は発作時の対症療法となるが,NSAIDs内服やステロイド関節内注射が著効する。再発を繰り返す症例に対する予防法も未だなく,超高齢化社会を迎えた日本において,症例数は増加している。また一方で,CPPD結晶は関節軟骨以外の組織にも沈着し,偽痛風同様に急激な炎症を頚椎や腰椎に生じることもあるが,決して症例数は多くはない。したがって,これらが念頭にないと診断に時間を要し,治療に難渋することもある。
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