論述
大腿骨骨頭の特発性無腐性壊死について
大塚 訓喜
1
,
寺山 和雄
1
,
木下 雅夫
1
Kuniyoshi OHTSUKA
1
1信州大学医学部整形外科学教室
pp.500-510
発行日 1971年6月25日
Published Date 1971/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904557
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
成人の大腿骨骨頭の特発性無腐性壊死は従来比較的まれな疾患であるといわれており,外傷性股関節脱臼や大腿骨頸部骨折,潜函病,Gaucher病,sickle cell anaemiaなどに続発する骨頭壊死は別として,いわゆる特発性無腐性壊死の発生機転は,副腎皮質ステロイド(以下ステロイドと略す)の投与や飲酒癖と関係が深いのではないかとも推定されているが,いまだ不明の点が多い.わが教室では,1968年から1970年までの間に,上腕骨骨頭の壊死をともなつた1例を含む9例15関節を経験した(第1表).治療のために大腿骨骨頭を摘出したものを組織学的に検索し,滑膜,骨頭靱帯に血管病変を認めるものもあつた.このようなものを含む自験例をもとにして,本疾患の臨床像,X線所見,病理学的所見,病因,治療法について述べる.
Copyright © 1971, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.