論述
特発性無腐性大腿骨頭壊死について
星 秀逸
1
Shuitsu HOSHI
1
1岩手医科大学整形外科学教室
pp.413-422
発行日 1974年5月25日
Published Date 1974/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904992
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大腿骨頸部骨折,外傷性股関節脱臼,および気圧の変動に基づくcaisson病などの外傷性病変に続発しておこる虚血性壊死については,古くから多くの人々により,臨床的ならびに実験的に研究され,病態の解明,治療法についても多くの業績が発表されてきた.
非外傷性の大腿骨頭壊死についてはFreund(1926)が両側性の大腿骨頭壊死について報告し,1936年特発性壊死と命名した.以前はかなり稀なものと考えられていたが,欧米では広範な調査研究がなされ,ここ10年間ではかなりの報告例がみられるようになつてきた.本邦においても最近報告例が増加し,注目をあつめるようになつてきた.とくに関節リウマチ,全身性エリテマトージス,血液疾患などの全身性異常に合併した症例や,さらにスラロイド剤大量投与後にみられる大腿骨頭無腐性壊死は増加の一途をたどつている.
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