創刊60年記念特集 肩関節外科の進歩
直視下Latarjet 法
水野 直子
1
1市立豊中病院,整形外科
キーワード:
Open Latarjet procedure
,
Recurrent anterior shoulder dislocation
,
Coracoid transfer
Keyword:
Open Latarjet procedure
,
Recurrent anterior shoulder dislocation
,
Coracoid transfer
pp.1243-1250
発行日 2017年9月1日
Published Date 2017/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000147
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Latarjet 法は,反復性肩関節前方脱臼に対する直視下烏口突起移行術である。大きな骨欠損を有する症例,術後再発例,コンタクトスポーツ選手など再発のリスクの高い症例が良い適応となる。本術式は,烏口突起水平部の基部で骨切りし,関節窩前下方の骨欠損部へ烏口突起を寝かせて移植するのが特徴である。肩甲下筋腱は切離せず,筋腹を線維方向にスプリットし,関節包に小切開を加え,4 つのレトラクターを用いて関節内を展開する。烏口突起の移植位置は,関節面と同じ高さか,1〜2 mm 内側になるよう設置し,関節症の原因となるlateral overhang にならないよう注意する。最後に移植骨に残した烏口肩峰靱帯と関節包を最大外旋位で縫合する。術後合併症の大半が手術のテクニカルエラーによるものであり,本稿で述べる手技上のポイントに留意することで,回避することができる。
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