特集 Complex elbow instabilityの治療の現状
Terrible triad injuryの治療 鉤状突起は内固定すべきか?
岩部 昌平
1
,
別所 祐貴
1
,
伊藤 恵康
2
,
草野 寛
2
1済生会宇都宮病院,整形外科
2慶友整形外科病院
キーワード:
Terrible triad injury
,
Coronoid process fracture
,
Annular ligament
Keyword:
Terrible triad injury
,
Coronoid process fracture
,
Annular ligament
pp.1091-1097
発行日 2017年8月1日
Published Date 2017/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000111
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Terrible triad injury においては,比較的小さい骨折(Regan分類typeⅡ,OʼDriscoll分類tip)が大半を占めるが,鉤状突起の外側部を含む骨折が多く,そこに付着する輪状靱帯が損傷していることが多い。輪状靱帯の前方部は前方関節包の肥厚部として認識できる。Y型構造の外側側副靱帯複合体は後方不安定性の制動に関与しており,その構成体である輪状靱帯の断裂により後方不安定性が生じる。輪状靱帯修復の観点からは,その付着部である鉤状突起の外側部を修復することが重要である。外側進入した場合,外側側副靱帯複合体のY型構造を修復するには,輪状靱帯の鉤状突起付着部の骨接合か縫着,橈側側副靱帯の上腕外側上顆付着部の修復,進入のために切開した輪状靱帯外側部の修復と3 カ所の修復が必要である。Terrible triad injury における鉤状突起固定の必要性については議論があり必要のない症例も存在するが,固定により骨性もしくは靱帯性に関節の安定性に寄与することは確実であり,常に固定できる準備をして手術に臨むべきである。
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