特集 Complex elbow instabilityの治療の現状
序文
今谷 潤也
1
pp.1054-1054
発行日 2017年8月1日
Published Date 2017/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000105
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
肘関節不安定症の中で,複合性肘不安定症(complex elbow instability;CEI)は骨性要素ならびに靱帯性要素の破綻を伴う難治性の外傷とされる。その典型例としては,肘関節脱臼に橈骨頭・頚部骨折および鉤状突起骨折を伴うterrible triad injury,外側靱帯複合体損傷に鉤状突起のanteromedial facet の骨折を伴うposteromedial rotatoryinstabilityや肘頭脱臼骨折などがある。近年,本外傷に対する基礎的・臨床的な研究が進み,肘関節外科の中でも大きなトピックスの一つとなっている。しかし,CEI の発生頻度自体は決して高くなく,また術前に損傷状態や病態を正確に把握することが困難なことも多いため,その診断方法や治療方針などについて十分なコンセンサスが得られているとはいえない。
Copyright © 2017, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.