Japanese
English
臨床経験
初診時リンパ節転移を呈した骨肉腫の1症例
A Case Report of an Osteosarcoma with Lymph Node Metastasis at the First Medical Examination
波呂 浩孝
1
,
川口 智義
1
,
松本 誠一
1
,
真鍋 淳
1
,
黒田 浩司
1
,
北原 建彰
1
,
神野 哲也
1
Hirotaka Haro
1
1癌研究会付属病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Cancer Institute Hospital
キーワード:
骨肉腫
,
osteosarcoma
,
リンパ節
,
lymph node
,
転移
,
metastasis
Keyword:
骨肉腫
,
osteosarcoma
,
リンパ節
,
lymph node
,
転移
,
metastasis
pp.1415-1418
発行日 1991年12月25日
Published Date 1991/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408900492
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抄録:一般に骨肉腫の患者で,初診時画像にて転移ありと診断されるのは10~15%と言われている.しかしそのほとんどが肺転移であり,初診時リンパ節転移があるものは稀とされている.我々が検索し得た範囲では,初診時リンパ節転移の頻度は2%前後で,画像的に全例石灰化を伴ったリンパ節転移であった.今回の症例は石灰化を伴わないリンパ節転移であった.
症例;17歳男性.左下腿腫瘤.血管造影・MRI・CTにて膝窩部にリンパ節の腫脹を認めた.術中ゲフリールにて転移と判明し,左大腿中央にて切断した.リンパ節郭清を追加し,鼡径部リンパ節にも骨肉腫の転移が認められた.骨肉腫のリンパ節転移についての要点は,以下の3点である.①患肢温存のlimiting factorである.②診断の契機はリンパ節の石灰化あるいは腫脹である.③診断にはMRI,CT,Angiographyが有用である.しかし,その確定診断には組織診断が不可欠である.
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