臨床
寛骨臼骨折後柱成分に対する6.5 mm中空スクリューを用いた固定法
鈴木 卓
1
,
菱川 剛
1
,
松井 健太郎
1
,
石井 桂輔
1
,
黒住 健人
1
,
新藤 正輝
1
1帝京大学医学部附属病院,外傷センター
キーワード:
Acetabular fracture
,
Screw fixation
,
Posterior column
Keyword:
Acetabular fracture
,
Screw fixation
,
Posterior column
pp.927-933
発行日 2017年6月1日
Published Date 2017/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000062
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寛骨臼骨折に対する固定法としては一般にプレート固定が行われている。われわれは近年寛骨臼後柱成分の固定に,坐骨結節と腸骨弓状線を結ぶ後柱軸上に6.5 mm 中空スクリューを挿入し手術手技の簡便化を図っている。本研究の対象は11 例で,手術記録と診療記録,X 線像を用いて後ろ向きに臨床成績を調査した。骨折型は前柱+後方半横骨折:4 例,横骨折:3 例,横+後壁骨折:2 例の順に多かった。スクリューの挿入方向は弓状線側からの順行性が4 例,坐骨結節側からの逆行性が7 例であった。順行性に挿入したスクリュー1 例に骨外逸脱を認めたが,それによる症状は認めなかった。一期的人工股関節置換術に併用した1 例を除いた術後X 線像の評価はMatta の基準で,anatomic:7 例,satisfactory:2 例,unsatisfactory:1 例で,ほぼ良好な成績であった。寛骨臼後柱成分に対するスクリュー固定は選択肢の一つとなりうるが,骨外逸脱予防のための術中透視の工夫が必要と考えられた。
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