特集 救急IVR手技詳説 with WEB動画
手技詳説編
●血管IVR―頭頸部
外傷性内頸動脈海綿静脈洞瘻
井手 里美
1
,
清末 一路
2
1大分大学医学部 放射線医学講座
2大分大学医学部附属病院 放射線部
キーワード:
carotid cavernous fistula
,
carotid injury
,
embolization
Keyword:
carotid cavernous fistula
,
carotid injury
,
embolization
pp.1358-1361
発行日 2018年11月20日
Published Date 2018/11/20
DOI https://doi.org/10.18888/rp.0000000647
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内頸動脈海綿静脈洞瘻(CCF)は外傷性(traumatic)と非外傷性(non-traumatic)に大別され,前者は外傷に伴う血管損傷,動脈解離が原因となるのに対し,後者は海綿静脈洞部の脳動脈瘤の破裂が原因となる。いずれも海綿静脈洞部の内頸動脈の血管壁に瘻孔が生じ,海綿静脈洞にhigh flowの動静脈短絡が起こり,上眼静脈や海綿静脈洞内の圧が上昇することで,多くの場合特徴的な眼症状を呈する。眼窩周囲の血管雑音聴取,拍動性の眼球突出,眼球結膜充血がtriasとされ,この他にも外転神経麻痺,動眼神経麻痺,視力障害,頭痛などの症状もみられる。また,海綿静脈洞を介して,脳静脈への逆流をきたす場合もあり,脳実質の浮腫や悪化すれば静脈性梗塞,脳出血のリスクとなる。
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