特集 放射線治療―最近の話題―
骨転移治療(Ra‒223)導入に向けた取り組み
尾川 松義
1
1横浜市立大学附属病院 放射線部
キーワード:
Ra‒223
,
塩化ラジウム注射液
,
RI内用療法
Keyword:
Ra‒223
,
塩化ラジウム注射液
,
RI内用療法
pp.1653-1661
発行日 2017年11月10日
Published Date 2017/11/10
DOI https://doi.org/10.18888/rp.0000000186
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2016 年3 月に国内初のアルファ線放出医薬品である,放射性塩化ラジウム(223RaCl2)注射液が骨転移のある去勢抵抗性前立腺癌の治療薬として承認された。塩化ラジウム注射液は国際共同第Ⅲ相試験ALSYMPCA(alpharadin in symptomaticprostate cancer)試験の中間解析においてoverallsurvival(OS)を有意に延長する結果となった1)。また,日本人の患者を対象とした塩化ラジウム(Ra—223)の安全性と有効性も示され2),注目されているRI 内用療法の一つである。塩化ラジウム注射液はアルファ線放出核種を含んだ医薬品のため,医療法や医薬品,医療機器等の品質,有効性および安全性の確保等に関する法律(薬機法)など関係する法令の遵守,放射線測定や薬剤分取の環境整備など臨床導入に向けて関連部署と調整が必要である。今回,導入に向けた取り組みにおいてポイントとなる,①使用数量の管理,②放射線の測定,③薬剤の分取について解説する。
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