特集 泌尿器の画像診断と放射線治療
核医学
腎動態,静態シンチグラフィの概要
伊藤 和夫
1
1恵佑会札幌病院 放射線画像センター
キーワード:
腎シンチグラフィ
,
動態検査
,
静態検査
Keyword:
腎シンチグラフィ
,
動態検査
,
静態検査
pp.1479-1489
発行日 2017年10月20日
Published Date 2017/10/20
DOI https://doi.org/10.18888/rp.0000000162
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腎臓核医学検査は腎臓の形態的および機能的障害を定性的かつ定量的に把握できる唯一の診断法で,特に個別腎機能の定量的評価については様々な画像診断の中で最も優れた方法とされている1)。現在日常臨床で利用されている腎臓シンチグラフィ用放射性医薬品(以下,医薬品)は3 種類(99mTc—diethylene—triamine—pentaacetic acid:99mTc—DTPA,99mTc—mercaptoacetyl—triglycine:99mTc—MAG3,99mTc—dimercaptosuccinicacid;99mTc—DMSA)でいずれも99mTc が標識放射性核種として用いられている。DTPA およびMAG3 は腎臓に集積した後,尿中に排泄される性質があり,静注後から連続した画像撮影が施行されることから,これらの放射性医薬品を用いた検査は腎動態シンチグラフィ(以下,動態シンチ)と呼ばれている(図1)。一方,DMSA は静注後徐々に腎実質に集積する性質があり,画像撮影は一定時間後に行われることから腎静態シンチグラフィ(以下,静態シンチ)と呼ばれている(図1)。動態シンチでは腎・尿路疾患の鑑別診断に薬剤負荷検査が選択される場合があるが,いずれの検査も方法論としては確立した検査である。本稿では検査法の特長に関して記載する。
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