総説
早期乳癌・センチネルリンパ節陽性後の腋窩郭清省略例では照射野をどのように設定するか
関口 建次
1
1苑田会放射線クリニック
キーワード:
乳癌
,
センチネルリンパ節生検
,
腋窩リンパ節郭清省略
,
術後放射線療法
Keyword:
乳癌
,
センチネルリンパ節生検
,
腋窩リンパ節郭清省略
,
術後放射線療法
pp.945-955
発行日 2017年7月10日
Published Date 2017/7/10
DOI https://doi.org/10.18888/rp.0000000058
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乳癌の外科治療は縮小の方向へ歩み,乳房については大・小胸筋を含めて切除するハルステッド手術から胸筋温存乳房切除術へ,さらには乳房温存手術が主流となった。リンパ節についても腋窩の完全郭清に加えて胸骨傍リンパ節や鎖骨上窩リンパ節(SCLN)を切除しても生存率は向上せず,腋窩郭清はレベル2 までが標準となった。また臨床的腋窩リンパ節転移陰性(cN0)乳癌ではセンチネルリンパ節生検(SNB)が行われ,転移があれば腋窩郭清,なければ〔pN0(sn)〕腋窩郭清が省略されるようになった。しかし最近,乳房温存手術時のセンチネルリンパ節(SN)陽性にも関わらず郭清を省略し,術後照射が依頼されることを経験する。これまで腋窩は外科医の担当領域であったが,集学的治療の観点から放射線腫瘍医の責任が大きくなった。そこでSN 陽性,腋窩郭清省略例に対する放射線療法について考察する。
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