Japanese
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特集 血管系病変と腹部消化器外科
虚血性大腸炎
Ischemic colitis
貞廣 荘太郎
1
,
徳永 信弘
1
,
向井 正哉
1
,
田島 知郎
1
,
幕内 博康
1
,
関田 恒二郎
2
Sotaro SADAHIRO
1
1東海大学医学部外科
2川崎市立井田病院内科
キーワード:
虚血性大腸炎
,
腸管虚血
Keyword:
虚血性大腸炎
,
腸管虚血
pp.1549-1552
発行日 1997年12月20日
Published Date 1997/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407903051
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虚血性大腸炎の臨床的特徴,治療方針をreviewし,自験例を呈示した.突然の腹痛,下血,下痢で発症する本疾患は,動脈硬化,血管炎などの血管側因子と便秘などに伴う腸管内圧上昇の腸管側因子が重複して発症すると言われ,高齢者ばかりでなくどの年齢層にも発生する.罹患腸管は下行結腸,S状結腸,横行結腸が大部分である.全症例の60〜80%が一過性型で,自覚症状は1〜2日,注腸などの所見は1〜2週間内に正常化するが,発症直後にその後の経過を予測することは困難で,身体所見,検査所見を見ながら経過を追う必要がある。壊死型と判断すれば緊急に壊死腸管を切除する.狭窄型は2年後に狭窄が消失した報告もあり,閉塞症状がなければ手術する必要はない.診断には注腸造影検査,大腸内視鏡検査が重要で血管造影検査の意義は小さい.また感染性腸炎,薬剤起因性腸炎を除外する必要がある.
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