特集 消化器・一般外科における手術教育の進化と手術手技の継承
Ⅱ 消化器・一般外科における手術手技の継承 5 膵臓・脾臓 6 脾臓摘出術─後進指導における手技上の注意点
三澤 健之
1
1帝京大学医学部外科学講座
キーワード:
脾臓摘出術
,
腹腔鏡手術
,
腹腔鏡下脾臓摘出術
Keyword:
脾臓摘出術
,
腹腔鏡手術
,
腹腔鏡下脾臓摘出術
pp.639-649
発行日 2025年4月1日
Published Date 2025/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000004374
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脾臓は左横隔膜直下でかつ後腹膜臓器である左腎のすぐ腹側という,腹腔において最も高く,最も深い部分に位置する臓器である。しかも胸郭内に存在するため,開腹手術の場合には肋骨に妨げられて視野展開に苦労することが多い。一方,腹腔鏡手術では近接視野と拡大視効果によって格段に良好な術野が得られる。そのうえ,腹腔鏡下脾臓摘出術(laparoscopic splenectomy;LS)には,一般に内視鏡外科手術に不向きといわれる縫合結紮や消化管再建手技が含まれていないことから,腹腔鏡下胆嚢摘出術とともに腹腔鏡手術のゴールドスタンダードと考えられている1)。

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