手術症例報告
腹腔-静脈シャントを要した肝硬変に対する腹腔鏡下肝部分切除の経験
盛田 興輔
1
,
北川 裕久
1
,
武藤 純
1
,
増井 俊彦
1
,
河本 和幸
1
1倉敷中央病院外科
キーワード:
腹腔-静脈シャント
,
肝硬変
,
腹腔鏡手術
Keyword:
腹腔-静脈シャント
,
肝硬変
,
腹腔鏡手術
pp.1825-1828
発行日 2024年10月15日
Published Date 2024/10/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000004116
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腹腔-静脈シャント(peritoneovenous shunt;PVS)はカテーテルにより腹水を直接,鎖骨下静脈あるいは内頸静脈などの体循環に還流させる手法で,肝硬変や癌性腹水などの難治性腹水が適応である1)。腹水を原液のまま大循環に還流させるため,DIC(disseminated intravascular coagulation)や感染,出血,血栓塞栓症,心不全などの合併症のリスクがあり,また,腹腔鏡手術では気腹により二酸化炭素が中枢循環系に流入する危険性があるため,原則として腹腔鏡手術は禁忌とされている2)。今回,われわれはPVSを必要とした肝硬変患者の肝細胞癌(hepatocellular carcinoma;HCC)に対し,腹腔鏡を用いて安全に肝切除を行い得た症例を経験したので報告する。
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