特集 必携 消化器・一般外科医のための外科解剖アトラス
Ⅴ 鼠径部・腹壁瘢痕ヘルニア 5 大腿ヘルニア修復術に必要な鼠径部解剖
堀 孝吏
1
,
吉井 俊二
1
1寺田病院外科
キーワード:
横筋筋膜
,
大腿輪
,
ハンドモデル
Keyword:
横筋筋膜
,
大腿輪
,
ハンドモデル
pp.715-723
発行日 2024年3月31日
Published Date 2024/3/31
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000003828
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鼠径部ヘルニアに対する治療は,ここ30余年でドラステックに手術術式が変化し,かつ一般化した。今日では,ヘルニア門への到達方法,修復方法,修復に用いるプロテーゼの種類,手術補助デバイスの使用の有無などの組み合わせで多くの術式が施行されている。しかし,どの術式においても手術を安全確実に行うためには解剖の理解が最も重要である。鼠径部の解剖が難しいとされているのは,構造が三次元であることに加え,連続する構造物が場所によって呼称が変わり,さらに到達法によって見る方向が裏表と逆になるため,初学者には混乱をきたしやすいためと考えられる。また,有用な知見も多くあるものの,エキスパート医師たちによる細かい解剖の議論が行われ,自然の状態では肉眼でも触診でも確認が難しい組織につけられる用語(造語?)の増加により初学者はますます混乱し,必要以上に手術解剖を難しく感じさせている。
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