特集 必携 消化器・一般外科医のための外科解剖アトラス
Ⅱ 肝胆膵 1 低侵襲下実質温存解剖学的肝切除に必要な局所解剖
伊藤 望
1
,
若林 大雅
2
,
贄 裕亮
2
,
勅使河原 優
1
,
若林 剛
2
1上尾中央総合病院外科
2上尾中央総合病院外科 / 上尾中央総合病院肝胆膵疾患先進治療センター
キーワード:
腹腔鏡下 / ロボット支援肝切除
,
実質温存解剖学的肝切除
,
区域・亜区域切除
Keyword:
腹腔鏡下 / ロボット支援肝切除
,
実質温存解剖学的肝切除
,
区域・亜区域切除
pp.457-464
発行日 2024年3月31日
Published Date 2024/3/31
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000003801
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
1990年初頭に腹腔鏡下肝切除が初めて報告され,過去3回の国際コンセンサス会議を経て,腹腔鏡下肝切除は世界的に安全に普及し,ロボットを含む低侵襲肝切除の時代が到来した1-3)。さらに,肝解剖に関する理解は,3Dシミュレーションやインドシアニングリーン(indocyanine green;ICG)蛍光法の登場により進化し,流入血と静脈の灌流域に基づいた正確な解剖学的肝切除が実現している。また,わが国をはじめとするアジア太平洋地域を中心に,障害肝に発生する肝細胞癌に対する外科治療として,肝実質を最大限温存する亜区域切除などの実質温存解剖学的肝切除(limited anatomic liver resection;LAR)が行われてきた。LARは,肝細胞癌や転移性肝癌に対する治療として,複数回の手術治療を可能にする点で合理的な方法と考えられる4)。
Copyright © 2024, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.