特集 必携 消化器・一般外科医のための外科解剖アトラス
Ⅱ 肝胆膵 2 右肝切除に必要な局所解剖
天野 怜
1
,
新田 浩幸
1
,
片桐 弘勝
1
,
菅野 将史
1
,
梅邑 晃
1
,
佐々木 章
1
1岩手医科大学医学部外科学講座
キーワード:
腹腔鏡手術
,
右肝切除
,
前方アプローチ
Keyword:
腹腔鏡手術
,
右肝切除
,
前方アプローチ
pp.465-473
発行日 2024年3月31日
Published Date 2024/3/31
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000003802
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腹腔鏡下肝切除術は,肝部分切除術と肝外側区域切除術が2010年に保険収載されて以来,今日に至るまで急速に普及している1),2016年4月には血行再建や胆道再建を伴わないすべての肝切除術式が保険収載され,2022年よりロボット支援肝切除が保険適用となっている。このように,急速な発展を遂げている肝切除領域ではあるが,その難度に関しては大きな差があり,腫瘍因子(部位や大きさ,脈管との位置関係など),患者因子(背景肝,肥満の有無など)が手術難度に大きく影響し2),右肝切除においては肝門部脈管処理,肝授動,肝切離,肝静脈の切離など,肝切除の主要な操作が含まれる代表的なmajor hepatectomyの1つである。腹腔鏡下 / ロボット支援肝切除は開腹術と異なり,触診ができず動作制限もあるため肝切離面のランドマークとなる脈管を確実に同定し処理することや,拡大視効果を最大限に享受するために視野の確保が必須であり,安全な手術遂行のためには十分な経験が必要である。
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