Ⅲ．下部消化管領域 5）ロボット支援下骨盤内臓全摘術

骨盤内臓全摘術は，隣接周囲臓器浸潤を伴う局所進行直腸癌，もしくは直腸癌骨盤内再発に対し，安全な切除マージンを確保する目的で行われる。局所再発進展例および局所再発例に対する骨盤内臓全摘術の国際共同研究（PelvEx Collaborative研究）によるデータ分析では，R0切除により骨盤内臓全摘術が長期的な生存をもたらすことを示している1，2）。しかし，狭い骨盤内には多数の臓器・神経・血管が隣接しており，安全にR0切除を行うためには高度な手術手技と骨盤内の正確な解剖理解が必要となる。