特集 イラストで見る消化器癌手術アトラス
Ⅰ 外科解剖 2 発生学に基づく幽門下リンパ節郭清に必要な局所解剖
中尾 英一郎
1
,
北條 雄大
1
,
中村 達郎
1
,
倉橋 康典
1
,
石田 善敬
1
,
篠原 尚
1
1兵庫医科大学上部消化管外科
キーワード:
幽門下リンパ節郭清
,
腸間膜化
,
剥離可能層
Keyword:
幽門下リンパ節郭清
,
腸間膜化
,
剥離可能層
pp.651-657
発行日 2023年5月31日
Published Date 2023/5/31
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000003314
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消化管癌に対する郭清のコンセプトは腸間膜切除である。腸間膜切除は,前半は剥離可能層(dissectible layer;DL)を正確にトレースする“腸間膜化”,後半は血管を基部で切り落とす“切除”からなる。これは胃癌手術の1パートである幽門下リンパ節(No.6)郭清においても同様で,No.6領域を含む胃間膜のみをいかに分離して腸間膜化するか,そして,その基部をいかに安全に処理するか,の2点がポイントとなる。間膜基部を求める剥離操作は,十二指腸間膜前面との癒合を解除して発生初期の状態に戻す操作のため,No.6を含む腸間膜の発生と解剖を理解しておくことは手術を行ううえで非常に重要である。
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