Ⅰ 外科解剖 ３ 横行結腸癌手術に必要な局所解剖

横行結腸癌に対する腹腔鏡手術は高難度とされており，JCOG0404などの大規模ランダム化比較試験では対象外となっている1）。『大腸癌治療ガイドライン 医師用2022年版』2）においても横行結腸癌に対する腹腔鏡手術の有効性は十分に確立されていないことを患者に説明したうえで実施することとなっている。しかし，2022年4月からは結腸癌に対するロボット支援手術が保険収載され，今後は横行結腸癌に対しても低侵襲手術の施行件数が増加することが予想される。低侵襲手術においては狭い視野で手術をする必要があるため，血管解剖などの局所解剖について十分に理解しておく必要がある。