特集 閉塞性大腸癌の治療戦略と手術
1.閉塞性大腸癌治療の歴史的変遷と現状,今後の展望
斉田 芳久
1
,
榎本 俊行
1
,
長尾 さやか
1
1東邦大学医療センター大橋病院外科
キーワード:
大腸ステント
,
大腸ステント安全手技研究会
,
ColoRectal Obstruction Scoring System
Keyword:
大腸ステント
,
大腸ステント安全手技研究会
,
ColoRectal Obstruction Scoring System
pp.529-535
発行日 2023年5月15日
Published Date 2023/5/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000003271
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大腸閉塞は大腸癌患者の8~13%に発生し1-3),大腸癌患者の最も主な緊急手術 / 処置の原因である。当初はもちろん外科手術が対応として行われ,古くは単純な人工肛門造設術4)が行われていたが,1903年に腫瘍切除も含めた3段階の切除5)が報告された。その後,1923年に2段階の手術である腫瘍切除と人工肛門造設を行うHartmann手術が報告され6),長く外科手術の標準となった。しかし,これらの緊急手術を施行した場合は,手術合併症や死亡率も決して低くなく7),一時的にせよ人工肛門造設を要し,その人工肛門の閉鎖がかなわないことも多く,患者のQOL(quality of life)の低下は免れなかった。
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